西暦、1300年前後…来訪者やゴースト、異世界からの恐怖によって混沌としていた世界をひとつの大きな結界が覆った。
『世界結界』:『常識』を人々が信じる意思の力によって外世界からの脅威を世界から追い出す結界。
これによって700年の『忘却期』が訪れ、世界中の人々は次第に『非現実』を忘れていった。
その間、ゴーストは消滅し、来訪者は外世界へ帰るか、封印される事となる。
シルバーレイン:世界結界の『歪み』を伝って異界より流れ来る特殊な金属『詠唱銀』を多く保有する銀色の雨。
1990年―――日本列島上空において『歪み』が発生。時を同じくして、日本列島各地で小規模のシルバーレインを観測。
同年初冬、東京都都市部において怪異発生。13世紀に世界結界が施されて 以降、記録上初となるゴーストの発現が確認される。
1991年―――全国で特殊能力者の存在を確認。夏を境にゴーストの発現が多発。同時期、ゴーストと能力者間での戦闘行為を確認。
1992年―――戦闘は日本列島全土へと波及。
シルバーレインの影響で目覚めた能力者の多くは、何の予備知識も無いままにゴーストとの戦闘を余儀なくされた。
その後、戦いは多大な犠牲を払いつつ、辛くも能力者側の勝利に終わる。
1996年―――戦いを生き抜いた能力者達は、能力者の育成機関として、シルバーレインの影響が最も少なかった鎌倉の地に私立銀誓館学園を設立、開校する。
それから10年。
2006年―――8月。日本列島全土で大規模なシルバーレインの発生を観測。これに伴い、怪異の発生が多発。ゴーストの発現が急増。表面上沈静化していたゴーストと能力者間での戦闘が再開され、学園に集められた能力者達は、否応無く戦いに身を投じる事となった。
2007年―――2月。来訪者、『土蜘蛛』の存在が露になる。女王の復活により封印されていた土蜘蛛達も目覚める。そして土蜘蛛によって銀誓館学園にて最初の死傷者が出ることとなる。
2007年―――4月。奈良県にて土蜘蛛衆と銀誓館学園間で『土蜘蛛戦争』が勃発。双方に多大な被害をもたらした末、女王を討伐。その後、土蜘蛛衆は半年間の集中講義を受け、銀誓館学園の生徒となる。
しかし、それを期に双方に多大な過ちがあった事に気付く者も少なくはなかった。
片や、人間の能力者を信じることができず、被害者を出してしまったこと。
そして、女王が早まって脅威の遺産の力を暴走させ、完全な侵略行為に走ってしまったこと。
そして片や、来訪者を説得不可のゴーストとみなしてしまったこと。
これは共存の道を歩み始めた来訪者たちと、世界を守る能力者たちの青春を書いた学園伝奇である。
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